【ゆうのもり ボランティア】海から山へ、そして海へ
「ゆうのもり」とは
「海派か山派か」――よくあるこの質問に対して、「海」と密接にかかわる船会社の社員の一人としては「海派」と答えるべきでしょう。しかし、私たちは「山」と無関係と言えるのか?この問いを胸に、今年の五月、私は静岡県御殿場市へと向かいました。目的地は、日本郵船が御殿場市と連携して森林整備を行う「ゆうのもりプロジェクト」の拠点「ゆうのもり」です。霊峰・富士山の東麓、標高約500mに位置するこの場所では、グループ社員や地域住民が植栽活動や環境教育を通じ、森林課題やサステナビリティについて学ぶことができます。今回、私は当社関係者5名とともに1泊2日の植栽ボランティアに参加しました。

「密集混裁」という植え方
植栽では「密集混裁」という手法を用いました。コナラ、ケヤキ、ヤブツバキなど11種類もの苗木を混ぜて植えることで、自然の多様性に即した安定した森林をつくる考え方です。落葉樹は成長が速い一方で日照を多く必要とし、常緑樹は成長が遅い一方で少ない日照でも育ちます。両者を組み合わせることで、病害虫にも強く、世代をつなぐ安定した森林が形成されます。


1日目は午後から参加し、そのノルマは3時間で300本。参加者の中にはご家族でお越しになっていた方々もおり、子どもたちも数名参加していました。植栽を行う前には、すでに下の名前で呼び合うほど打ち解けていた子どもたち。作業が始まると、誰かが役割を振るまでもなく、苗木への水やり、運搬、穴掘り、植え付けと自然に分担され、子どもたちを含めた全員で協力しながら300本の苗木を植え終えました。澄んだ空気の中での程よい活動は、心地よい充実感をもたらしてくれました。


焚火と富士山と、仲間たちと
植栽を終えた夕暮れ時、夕食は焚火を使ったBBQでした。富士山のシルエットを背に、炎の上で焼かれる肉や野菜を囲み、日本郵船グループの皆様と親睦を深めました。翌朝、外から聞こえる子どもたちの元気な声で目が覚めると、子どもたちはすでに自発的に朝食の配膳を手伝っていました。この日の朝食は一分づき玄米の雑炊。鮭と卵に、お好みで韓国のりを振りかけるスタイルで、その美味しさに筆者は4回もお代わりをしてしまいました。2日目は午前中のみの参加でした。その時のノルマも300本でしたが、1日目で培った協力作業はお手の物。この日も無事にノルマを達成しました。私たちはお昼でこの場を後にしましたが、ボランティア作業は午後まで続き、この2日間の合計で1,200本もの苗木が「ゆうのもり」の大地に根付いたそうです。


植栽に関わる意義
樹木は光合成によってCO₂を吸収し、炭素を「固定化」します。近海郵船はISO14001を取得し、環境対策を積極的に推進しています。船舶の運航には燃料消費が伴いますが、植栽を通じた炭素固定はその一助となります。「山」と「海」はつながっており、森林の健全さは巡り巡って海の豊かさへとつながるのです。
今回の体験を通じ、船会社の社員である私たちもまた「山」と密接な関係にあることを実感しました。「海派か山派か」――皆さんにも、答えなきこの問いをぜひ楽しんでいただければ幸いです。
(2026年5月実施)
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